病気はご褒美
先日インフルエンザになり寝込んでいた。
土曜日の夜から本格的に体調が悪化したものだから、日曜診療の病院を探すのに苦労した。アパートから徒歩20分ほどの所にあるクリニックを見つけ、歩くのがしんどいものだから、倍の時間をかけてなんとか辿り着いた。
39.6℃で案の定インフルエンザと診断された。先生は気さくで優しい男性だった。
「家で子どものよ〜うに寝ていてくださいね」
私は5日間、布団に包まるだけで生存が許されたのだ。子どものように寝ていることがもはや義務なのだ。
先生からその言葉を貰った時、同時に私は本来大人であるという事実を突きつけられたのだった。
別に歳をとることが嫌な訳では無い。でも、もう好き勝手自分の欲のまま生きられないのかと。
今時好きなように生きられるではないか。いやそういうことではない。何も考えず、時に何かを考え、ただただ自分のペースで、重い義務を持たずに生きる。もうそれができないのだ。
だから、思う存分ベッド生活を謳歌した。病気はご褒美だ。